さかい目マタギ

サラリーマンと自営業、アメリカと日本、難聴と健聴 といった境目をまたぐことについて思ったことを書くブログ

【難聴小ネタ】パラリンピックに聴覚障害者がいないって知ってました?

リオデジャネイロオリンピックパラリンピックで2016年は盛り上がりましたが、パラリンピックには難聴者が出場していないのをご存知でしたか?

私自身はろう学校のポスターで知ったのですが、ろう者(手話使用者=Deaf / デフ)のオリンピック、デフリンピックというのがあります。

 

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(引用:第20回夏季デフリンピック Q&A集より)

 

日経記事からの引用ですが、

「競技のルールは五輪と同じで、異なるのは競技開始の音や審判の声などの合図を照明や旗で代用する点くらい」らしいです。

そのハードルの低さもあってか、実はパラリンピックよりも歴史が古く、第一回大会は1924年にまで遡ります。

以下、開催年次と場所です。

 

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(引用:wikipediaより)

 

基本的に欧州中心の開催ですね。次回はトルコだそうです。
日本チームがんばってまして、
「第19回デフリンピック (ローマ)では金10個、銀5個、銅5個でメダル総数では世界第5位の成績」だったとのこと。全20競技でこれはすごいですね。

 

ちなみに、パラリンピックとなぜ違う枠組みかというと、元々パラリンピックは戦傷者のリハビリの延長線上にあったのに対し、デフリンピックは競技性を重視していたかららしいです。

1989年に国際パラリンピック委員会が発足した当初は、その傘下にあったらしいですが、全日本ろうあ連盟によれば、「独創性」を重視するために離れたとのこと。

 

主に独創性とは手話を使う運営のことだと思われますが、コミュニケーション手段という根幹的なところで異なると、やはり文化というか、ろうの特殊性を感じますね。
「競技のルールは五輪と同じで、異なるのは競技開始の音や審判の声などの合図を照明や旗で代用する点くらい」という部分しかり。
健聴コミュニティやほかの障害者コミュニティとの距離感の難しさというのがあるんでしょうね。

 

そういうわけで栄光ある孤立を選んだデフリンピックですが、オリンピックと会期がずれていることもあり、知名度はいまいち。ちょっと工夫するだけで同じルールでできるなら、オリンピックと統合していいじゃんと思いますけどね個人的には。オリンピックもインクルーシブにデザインするということで

 

ともあれ、今年は4年に一度のデフリンピックの年なのでろう者のみなさんの活躍フォローしていきたいと思います。